我が國は「基本的人権の尊重」という美名のもとに、自己の欲望と他者の欲望とのぶつかり合いの世の中となりつつある。
人々は、快と不快だけで生き、目に見える至近の距離の世界のみで生きるようになる。
「欲望こそ全て」と考える。
そして教育荒廃・家庭崩壊が起こり、悪平等が花開き、凶悪犯罪が増加している。
人権重視・人命尊重が声高に叫ばれ、武道は封建道徳・軍国主義といわれて排除されて続け六十五年以上を経過した今日の日本は、軍国主義時代だったといわれる戦前の日本ではとても考えられないような凶悪なる青少年犯罪が日常茶飯事になっている。
これは武の精神・武士道を否定した戦後日本が如何に間違った道を歩んだかを証明している。
武士道は、忠誠・名誉・尚武・勇気などを重んずる。
武士の倫理観は、忠孝、廉恥(心が清らかで、名を惜しみ恥を知る心がつよいこと)、義勇、侠(一身を顧みずに弱い者を助けること)、自己の責務を果たすこと、といわれている。
今日の日本に一番欠けているのが、このような武士道精神である。
わが国はグローバルスタンダードなどと言っていたずらに外国の真似をして外国と同じになるのではなく、日本人としての倫理観に磨きをかけるべきである。
特に政治家と官僚と財界人と教育者とマスコミ人にそれが求められる。
武の精神をなくした政治家はしっかりとした判断を下せなくなっている。
確固とした人生観・見識・倫理観を持たない悪しき民主主義即ち『自分さえ良ければ他人はどうでもいい』『皆がやっているからそれでいいという』という精神・習慣を改めなければならない。
わが国の伝統的倫理精神たる
武士道を今に生かさなければならない。